血管に発生する病状について
病状には様々なものがありますが、血管に発生する病状として、「心筋梗塞、脳梗塞、不整脈」などがよく知られているかと思います。心筋梗塞(心疾患)や脳梗塞(脳疾患)は「3大疾病」としても一般的に認識されており、いずれも動脈硬化から起こります。
動脈硬化のリスク要因としては高コレステロール、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、運動不足、ストレスなどがあり、いずれも自分でリスクを下げることができます。
インターベンション治療とは?
血管に発生する病状のインターベンション治療とは、治療部位にカテーテルを挿入し、内部から治療を行う手法です。例えば、冠動脈形成術(PCI)や血管内治療(EVT)などがあります。
インターベンション治療の対象となる主な病状について
《心筋梗塞》
心筋梗塞は、「冠動脈が詰まる」ことによって心臓筋組織に酸素や栄養が行き渡らず、死滅する状態です。急激な胸痛や不快感を引き起こし、致命的な合併症をもたらすことがあります。
心筋梗塞の治療(インターベンション)について
・冠動脈形成術(PCI)
PCIとは、Percutaneous Coronary Interventionの略で、
Percutaneous=経皮的(皮膚を通して処置する)
Coronary=冠動脈(心臓に酸素や栄養を送る動脈)
Intervention=インターベンション(細い管を通して治療する) という意味になっています。
病変した冠動脈にカテーテルを挿入し、血管を広げるためにバルーンを膨らませる手法です。
・ステント留置術
PCI時に、ステント(金属製の支持体)を留置して冠動脈の通り道を広げ、再狭窄を防ぎます。
《脳梗塞》
脳梗塞は、脳内の血管が詰まることによって脳組織が酸素不足に陥り、機能障害や麻痺を引き起こす状態です。
・血栓溶解療法
血栓溶解薬を使用して、詰まった血管内の血栓を溶解させる方法です。
・脳動脈瘤治療
脳動脈瘤の治療についてですが、メイン治療が下記の通りコイル治療となります。
コイル治療は、破裂する危険がある脳動脈瘤(未破裂脳動脈瘤)の中にコイルを詰めて、 血液の流入をなくしてしまうことで破裂(くも膜下出血)を防ぎます。 また、破裂してくも膜下出血を起こした脳動脈瘤(破裂脳動脈瘤)にも適応します。
※主な脳血管インターベンション
・破裂および未破裂脳動脈瘤(コイル)
・脳動静脈奇形(コイル)
・硬膜動静脈瘻(コイル)
・頸動脈狭窄症(STENT)
・頭蓋内動脈狭窄症(バルーン)
・急性脳動脈閉塞症(脳梗塞)(血栓除去)
《不整脈》
不整脈は、心臓のリズムが正常ではなく、速すぎたり遅かったりする状態を指します。
不整脈の治療(インターベンション)について
・電気的カテーテルアブレーション
心臓内にカテーテルを挿入し、異常な信号を送る組織を焼くことで正常なリズムを取り戻す方法です。
・ペースメーカー留置
心臓のリズムを安定化するために、電気信号を発するデバイス(ペースメーカー)を埋め込む手法です。
インターベンションの利点と注意点
インターベンションは、急速な治療や合併症のリスク低減に貢献しますが、患者の状態や合併症の可能性に合わせて適切な方法を選択することが重要です。
予防と早期対応の重要性
これらの病症は、健康的な生活習慣の確立や定期的な健康チェックが大切です。早期に症状に気付き、適切なインターベンションを受けることで合併症を減少させることができます。
最後に「インターベンション」は、血管に発生する病症や不整脈に対する重要な治療手段です。ただし、専門医師の指導のもとで適切な治療法を選択し、患者の状態に合わせて進めることが不可欠となっております。
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